「カレールウ」は止めてくれ!


スーパーで売ってる箱入りのカレーの素、あれってカレールウだよねぇ。みんな知ってやつ。で、あれをカレー「ルウ」と呼ぶのは全くオッケー。ところがーっ、最近のテレビを見てて見捨てがたい場面がった。それはね、ある有名タレントが都内のカレー屋さんを論議している場面で、カレーのソースの部分、つまり液体の部分のことを「ルウ」と呼んでるじゃないか。しかもその人物は「自称カレー通」を名乗っていて、「カレーだったら俺に語らせろ!」とか言い切ってた奴。サイテエでしょ、これって。しかも何度も何度も繰り返して同じことを言う。他にも数人の出演者が出ていたが、誰もそれを訂正しない。それどころか、一緒になって「ルウ」だと言う。

はっきり言いましょう。「カレールウ」もしくは単に「ルウ」というのは、フランス料理上のテクニックの事で、油と小麦粉(カレールウの場合はスパイスも含めて)を併せて加熱したペースト状の塊の事で、カレーの液体状のものとは全く異なるものの事を言う。昭和に生まれ育った世代にとって、カレーの作り方といえば市販の箱入りの塊を、具材の入ったお湯に溶けば出来上がりってのが常識化されていたから、出来上がりのカレー自体もルウと呼びたくなるのかもしれない。あの箱入りの塊は実際「ルウ」だからね。しかしながら、カレー通がそれを言っちゃぁお終めぇよぉ。じつは勉強不足だってところをさらけ出しているようなもんだ。

では、あのカレーの液体は何と呼ぶのか? 僕は「カレーソース」と呼ぶんだけど、どうやら我が家の他の連中はただ単に「カレー」と呼ぶのが正しいとおっしゃる。まあ、どっちでもいいやね。ルウを出さなければ。

で、さらに補足をすれば、あのルウなるものは非常に脂肪分を多く含んでいて、実は50%以上は脂肪分、しかもほとんど動物性やパームオイル等の飽和脂肪酸を多く含むもの。もともと日本のカレーはフランス料理のテクニックを取り入れて進化してきた由来もあり、あの独特のとろーりとした食感がその特色でもある。ところが、脂肪分の摂取を控えたい筆者世代やお年頃のオネェさん達にはそんな単純な話では無い。

自称「シアトルのジャパニーズカレー応援団長」を名乗る筆者としては、そこに一石を投じて、王道ジャパニーズカレーのとろ〜り感を残しつつ、脂肪分を極力減らし、こみ上げる旨味成分がガツンと強調された美味し〜いカレーを開発するのは当然必至の事である。世界のカレー愛好家の皆さん、お待たせしました! シアトルでカレーを食べるなら是非とも当店「Local Kitchen」へようこそ!!

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